

製造業において、私たちの「目」となるのが測定器です。その中でも最も身近な存在といえばノギスですよね。
しかし、そのノギス、最後に「正しく測れているか」を確認したのはいつでしょうか?
今回は、弊社で毎年恒例となっている「社内ノギスの定期校正」の様子を交えながら、正しい手順と精度維持の秘訣をお届けします。
品質管理部門では、一年に一度、社内で使用されているすべてのノギスやハイトゲージを集めて定期校正を実施しています。
なぜこれが必要なのか。それは、日々の使用による摩耗や落下、温度変化などで、気づかないうちに「測定値のズレ」が生じるからです。もし、狂ったノギスで出荷判断をしてしまったら……想像するだけで背筋が凍りますよね。
定期校正は、製品の信頼性を守り、測定不適合を未然に防ぐための、いわば測定器の健康診断なのです。
精度の高い校正を行うには、準備が欠かせません。今回は以下の条件で実施しました。
対象機器: デジタルノギスおよびハイトゲージ
基準器: ブロックゲージ
ブロックゲージとは? 長さの基準となる、極めて高い精度で仕上げられた金属製のブロックのことです。表面が鏡のように磨かれており、品質管理における「長さの物差し」として使われます。
環境: 室温20℃付近
金属は熱で膨張するため、精密な測定はJIS規格でも推奨される20℃前後の環境で行うのが鉄則です。
まずは、対象となるノギスをきれいに清掃し、測定面に油分や埃が残っていない状態にします。
それでは、具体的な手順を見ていきましょう。現場でもすぐに意識できるポイントが詰まっています。
まずは基本中の基本。外側用ジョウ(クチバシの部分)を閉じ、光に透かして隙間がないか確認します。その後、デジタル表示を「0.00mm」にリセットします。
今回は、10mm、の3つのポイントで確認を行いました。
ブロックゲージをジョウの根本、中央、先端の3箇所で挟んで測定します。
ポイント: 強く挟みすぎないこと。ノギスには「器差(許容される誤差)」がありますが、デジタルノギスの場合、一般的に ~ 程度が合格ラインです。
同じ箇所を3回ほど測り、数値がバラつかないかを確認します。
今年の校正結果は、すべて合格(許容範囲内)でした!
一部のノギスで、先端部分に 程度の摩耗による誤差が見られましたが、社内規定の許容範囲内に収まっていました。こうした「わずかな傾向」を記録しておくことで、「来年はこのノギスは買い替えが必要かな」という予見管理ができるようになります。
結果がOKだったものには、新しい「校正済ラベル」を貼り付けて、各現場へ戻します。
定期校正で「異常なし」と判定されても、その後の使い方が悪ければ意味がありません。
現場でできる「簡易校正」のヒント 毎朝の作業開始前に、手持ちのブロックゲージ(なければマスターワーク)を一度測る習慣をつけてみてください。
「いつもは10.00なのに、今日は10.05になる」 この気づきこそが、不良品流出を未然に防ぐ最大の武器になります。
測定器を「単なる道具」ではなく「品質を保証するパートナー」として大切に扱いましょう。
丁寧な清掃とゼロ点確認、これだけで製品の品質はグッと安定します。
次回の校正でも、皆さんのノギスが元気な姿(正確な数値)で見つかることを楽しみにしています!
当社では『こんなに古い金型は無理だろう』と諦めていた金型も、再生できる可能性は十分にあります。
まずは写真をお送りいただくだけで、再生の可否や概算費用をご提示いたします。お気軽にご連絡ください
あなたの大切な資産である金型を、再び現場で活躍させましょう!